北の大地

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「なんだ?……アレは……」 大陸の上空に有る、夥しい数の熱源を見てクルドは掠れた声で呟いた。 「……ただの熱源では無いな……信じられぬが……」 レオも目を細めて戦慄する様に言う。 「レオ、お前の『眼』には何が映った?」 レオの様子を見てクルドも緊張した顔付きで問い掛けた。 「アレはフォービの群体だ……驚く事に、夥しい数のフォービが北方大陸全域の空に犇めいている」 レオの答えにクルドは言葉を詰まらせる。 「あの、クルドさん……フォービってなんなのですか?」 エストの問い掛けにクルドは我に返る。 「あ?…ああ……フォービってのは火元素に属する悪性の精霊の事だ……火の粉の様な存在で、稀に群体で大量発生し大規模な火災の原因になる事が有るんだが……」 クルドは再び北方大陸の空を見上げる。 「あんな、大陸を包む程のフォービなんか、見たことも聞いたことも無い」 「……それに、悪性の精霊を拘束してる所もな……我輩もアレだけの数のフォービの群体が縛られてる所を初めて見るな」 クルドの説明を補足する様にレオは厳しい顔をして言った。
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