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セルフィス逹がアグニ教の演説を聞き終えた頃、ギルークとサルバンはニザの案内の元、この街の衛士隊の駐屯所を訪れていた。
最初、衛士逹は門前払いをしようとしたが、ニザの姿に気付き態度を改めた。
ニザが魔導師拘束の件で事実確認をしたいと申し出たので、衛士逹はギルーク逹を駐屯所の応接室に向かい入れて衛士長に判断を仰ぎに行った。
三人は応接室で待たされる事になった。
「……あまり期待は出来そうにないな」
最初の衛士逹の反応を見てギルークは応接室の壁に寄り掛かって言った。
「そうだな、『槍姫』殿の名を出して一応は迎え入れて貰ったが……明らかに迷惑そうにしていたな」
応接室の椅子に腰掛けてサルバンが答える。
「恐らく、リヒテルの奴が口止めをしているのだろう……こう言う所には気を配る奴だからな」
ニザも椅子に座り、仏頂面で言う。
「口止めって事は何か知られちゃ不味い事が有るって事か?」
ニザに視線を向けてギルークが問い掛けた。
「いや、断言はしないが……態度がな」
ニザはリヒテルと会った時の事を二人に伝えた。
「……成る程ね……まぁ、怪しくは有るな」
サングラスを弄りながらギルークは言った。
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