二週間後の遺品整理

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 祖父が亡くなって、二週間。病院で看取ってから今日まで、時間は駆け足で通りすぎていった。  佇んでいるだけで、太陽がぐるぐると回っていく日々。そこに両親と祖母が巻き込まれて、これまた上手にぐるぐると回るのだ。 私は一歩離れた位置からそれを眺めている。泣くこともせずに、大変だねと干からびた言葉を言うだけ。  時間経過の速さを感じながら、しかし私は傍観者の顔をしていた。慌ただしさの渦に巻き込まれることはないと確信しているのだ。  両親や祖母のように悲しみも涙もなく、粛々と祖父の死を受け入れている。
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