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 信じられない告白を受けて、真人は顔をあげ、揺れる瞳で鷹田を見つめた。鷹田は居住まいを正して真人の正面に向き直った。 「初めてお前を見たとき、綺麗だと思った。目が澄んでて、優しそうで。話してみたら頭のいいヤツだと判った。控えめだが、ちゃんと自分の意見を持ってるし、それを自分の言葉で話すのがいいと思った。変に構えてなくて、喋らなくても居心地が良かった」   いつになく饒舌な鷹田に、真人の心臓がトクリ、トクリと音を立て始める。 「本当はあのサークルにも入るつもりじゃなかった。バイトもしなきゃならないし、そんな時間の余裕もなかったしな」 「え」 「でもお前が入るつもりだと聞いて、気が変わった。お前と話してみたいと思ったんだ」 「そんな……」  思いがけない真実に混乱しながらも、喜びの予感に心が震えだす。 「最初は単にウマが合うんだと思ってた。だがそのうちお前が笑うのを可愛いと思ったり、他のヤツと話してるのが気に入らなかったり、おかしな気分になった。スキー合宿でケガしたお前を背負った時、軽くて、頼りなくてハッとした。宿に戻って足首の手当てをした時、色が白くて、綺麗で、もっと奥まで触りたいと思った。…お前を違う意味で意識したんだ」  真人は際どい言葉に顔を赤くしながらも、同じタイミングで互いを意識し始めたのだと知って泣きたいような喜びを覚える。 「卒業式の夜、俺を好きだと言って泣きながら震えているお前を見たとき、純粋に愛おしいと思った。離したくないと思った。それが今、俺がお前とここにいる理由だ」  鷹田は長い指を伸ばして、真人のさらりとした黒髪に触れる。 「なのにお前はいつも遠慮する。望みのひとつも言わない。無理に強がって、全部自分のせいにして、今回みたいに身を引こうとしたり。……だが、俺も悪かった。お前の横は居心地が良くて、何も言わなくても判ってくれてるって、甘えていたのかもしれない」  鷹田は真人の髪に手を差し入れたまま、白い額に小さなキスを落とした。 「お前を愛してる。だから傍にいてくれ」  見開かれた真人の目から、ハラハラと涙が零れる。 「……ほんと、に…………?」 「ああ」  ふ…うぅっとうめいて真人は広い胸に顔を埋めた。すぐに大きな手が優しく髪を撫でてくれる。嬉しくて、切なくて、涙がとめどなく零れ落ちる。
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