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 自分が女性よりも男性に惹かれる性質だということに気付いたのは中学生の頃だ。それも強くて逞しいタイプの男に弱い。だから真人の目がいつでも鷹田の姿を探すようになったのは、当然のことだったのかもしれない。  けれどそれがいつしか女のように組み敷かれたいという浅ましい願望に変わることまでは想定していなかった。  自分の欲望をはっきりと悟った時から、真人はもうそれまでのように鷹田の目をまっすぐに見ることが出来なくなってしまった。  けれど鷹田から離れることも出来ず、曖昧な距離を必死に保ちながら、残りの大学での日々を過ごした。  そして卒業の日。もうこれまでのようには逢えなくなるかもしれないと思い詰めた真人は、壊れそうな心臓を抱え、鷹田を自分のアパートへ誘った。  緊張から飲み過ぎた真人は、酔った勢いで泣きながら好きだと告げた。  一片の期待もなかった。  ただ、言ってしまったことで、もう友人の間柄にも戻れないと気付いた真人は、ガタガタと身体を震わせながら泣き続けた。  その肩にそっと労わるような手を置いてくれたのは、あまりにも惨めで痛々しい自分への情けだったのだろうか。  気づけば真人の身体は熱い男の腕の中に包まれていた。言葉もなく背中を撫でてくれる優しい手に、真人は声をあげて泣いた。
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