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 それから三年――。  鷹田は相変わらず、真人の傍にいてくれている。恋人のように過ごした日々は真人の心を甘く潤してくれた。  これ以上は望みようがないほど、穏やかで優しい時間が流れた。  けれど「好きだ」と言われたことはない。鷹田の心を確かめることも出来なかった。そうすればこのかけがえのない時間がすぐに壊れてしまいそうで怖かったのだ。  だが今回ゆかりに会ったことで、図らずも鷹田の本心を知ってしまった。  多分、自分が諦めれば、この関係は呆気なく終わるのだろう。  湯からあがった真人は、湯栓をひねり、髪を洗い、念入りに身体を清めた。  最後にもう一度抱いて欲しい――。  その一心だった。  言葉の少ない鷹田だけど、真人を抱くときはひどく情熱的だった。  その肌の熱さを思い出し、真人はやるせなく目を伏せる。 『肌、綺麗だな……』  初めて抱かれたとき、鷹田は震える真人の白い背中に唇を落としながら、掠れたような声で言った。  そのひと言にすがるように、男のくせに磨き続けてきた肌だった。  艶やかな肌のうえを熱い湯が滑り落ちてゆく。僅かに背を向け、うつむき、頬を染めながら、湯に打たれる姿はえも言われぬ色香を醸し出す。  そのやつれたような色っぽさに、周りの男達が思わず息を呑んだことを、真人は知らなかった。
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