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 そのままずるずると彼らの部屋まで誘われ、ドアが開かれた所で真人はとうとう声をあげた。 「放してください、部屋に戻らないと」 「なんでよー、誰か待ってんの? おにーさんの彼女? いや彼氏かな? すごいキレーだもんね、おにーさん」  浴衣の上から悪戯のように尻をまさぐられ、真人は細い身体を必死にもがかせる。 「おおっ、すげー弾力、プリケツ!」 「マジかッ、触らせろ」 「や、いやだっ、やめろ」  真人よりもずっと体格のいい複数の男たちに、代わる代わる尻や太腿を触られ、恐怖と屈辱で頭が真っ白になる。 (やだ、いやだ、こんな――!)  悲痛な表情に嗜虐心を刺激されたのか、男達はどよめき、強引に部屋へと連れ込もうとする。 「大丈夫だって、一緒に飲むだけじゃん」 「やだ、放せ、はなせッ!」  閉まってゆくドアを絶望的な目で見ていると、閉まる寸前にバン、と大きな音がして、素早く誰かの手が差し込まれた。そのまま力任せにドアが開かれ、大きな影が目の前に立ちはだかる。 「――鷹田!」  安堵のあまり、身体が震えた。  長い腕が伸びてきたかと思うと、次の瞬間には逞しい腕の中に引きずり込まれていた。 「俺のツレになんか用か」  これ以上ないほど低く、抑揚のない声が頭上で響く。真人は無意識に身体を縮めた。 (凄く、怒ってる……?)  鷹田の腕は絶対に離さないというように真人の細い腰に巻き付けられ、真人は顔をあげることも出来ない。
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