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  初めてだった。こんな風に、獣みたいに奪われるのは。  今までどれほど大切に抱かれてきたのかを痛いほどに思い知る。ふいに愛しさが胸にあふれた。  我儘な自分をずっと傍に置いて、大切に包んでくれた男が、本当に、本当に、心の底から愛おしくて、涙がとめどなく零れ落ちる。  もう、これきりでもいい。何も考えずに彼の烈しい熱に焼き尽くされてしまいたかった。 「しゅうじっ、しゅう…ッ、あん、ぁ、あ、いやっ、だ、だめそこ、ぁぁぁああっっ」  ずちゅっずちゅっと淫らな水音を立てながら滑らかな動きを見せ始めた男根が、紅く濡れた肉輪をかいくぐり、蠢く内壁と、快楽の中枢であるしこりを惨いほどに苛む。  真人は髪を振り乱し、甘い悲鳴で征服者を煽り続けた。 「ひぃああッ、も…もう、い、いくっ、イっちゃっ……!」 「イけよ…ッ」  耳のそばで低い声が唸った瞬間、烈しい痙攣が爪先から一気に駆け上がり、中心で爆発するみたいにして大きく弾けた。 「ひっ…ああーーッッ!」  放出の瞬間は気を失うほどの快感に包まれ、真人はぶるぶると身を震わせながら、背後から回された鷹田の太い腕にしがみついた。    恐怖と紙一重の快感に怯えきって泣く真人を、鷹田は一度強く抱き締め、今度は自分の欲望を解放するために重い突き上げを再開した。 「ああっ、ま、まだ駄目っ、だめ、いやっ、いやあっっ」  激しくうろたえる真人を抱き込んだまま、鷹田は白い尻たぶを揉みしだき、真人を最も狂わせる場所を己の張り出した部分で執拗に嬲り続けた。 「いやああッ、あぁっ、しゅ…じ! ああ、ああっっ、あっ、また…ッッ!」 「……クソッッ」  烈しく突き上げながら、鷹田が荒々しく吐き棄てる。 「あれが、ウソだって判ってても、…お前に、別れたいって言われて、…平気でいられるワケじゃないんだぜ……!」   乱れる息の狭間で耳元に告げられて、ドキン、と心臓が大きく跳ねる。それと同時に鷹田の狂おしいほどの激情が腹の奥で爆発するのを感じた。導かれるように真人もまた大きく身を震わせ、欲望を放つ。 (嬉しい――)   強引に奪われたにも拘らず、そのとき真人の胸を占めていたのは、紛れもなく、深い、深い喜びだった。
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