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「ずっと…不安だったんだ。…いつかお前が、いなくなって…しまうんじゃ、ないかって」
温かい手に小さな顎をすくいあげられて瞳を合わせると、鷹田はひどく愛おしいものを見るように真人の目の奥を覗き込み、それからしっとりと真人の唇を塞いだ。
「ぁッ、ん…ふ……ぁ……ぁふッ」
鷹田の逞しい腕にすがりながら、真人は懸命に恋人の情熱に応える。
濡れて滑る唇を割り、肉厚な舌が真人の小さな舌を引きずり出して、激しく絡め取る。快感が全身を巡り、真人は細い肩をふるりと震わせた。
「あふっ、ぅ、ん……っ!」
熱い口づけが解かれると、真人の潤みきった目が男を見上げる。
するとすぐに鷹田の目にも情欲の炎が立ち昇るのが見えた。
「あっ」
両肩から一気に浴衣を脱がされて、真人は思わず目を伏せ、震えるような熱い吐息を零した。シミひとつない肌を、鷹田の熱い視線が舐めるように辿ってゆくのが判る。
真人の肌はいつもしっとりと潤っていた。たっぷりと蜜を蓄えた果実のように張りがあって、匂い立つような色気を纏っている。
感じやすく、堕ちやすい極上の肌に、鷹田がどれほど狂わされているかを真人は知らない。
身体を重ねるようになってからさんざん愛された乳首は、今では見られただけでピンと立ち上がって鷹田を挑発する。
誘われるように鷹田がそれを口に含むと電流のような痺れが身体の中心を駆け抜けた。
「はあぁぁッッ…ん…ぁあっ…きもちぃ、気持ち…い……!」
濡れた声が壮絶に色っぽい。鷹田が小さく舌打ちをする。
「朗読会ではいつも気が気じゃない。あんな声を聞いたら、どんな男もお前をいやらしい目で見る」
思いがけない言葉に思わず鷹田を見つめてしまう。それが激しい独占欲からのものだと気付いて、真人は目許を染めた。
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