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 新作が出るたびに、大型書店などで催される朗読会に、鷹田はいつも都合がつく限り来てくれていた。 「あれは、……あれは、お前に聞かせるために、読んでるから……」 「え」 「白井(しらい)さんに言われるんだ。鷹田さんが来てる日は声に艶がありますね、って」  言いながら恥ずかしくて目を伏せる。白井とは真人を担当する編集者だ。 「たぶん、バレてる…と思う」 「――マジか」  呟く鷹田に不安になって目を揺らした。 「ごめん」 「なんで謝る」  牽制しやすくなっていい、と信じられないような言葉を囁かれて真人はまた目を瞠る。まさか白井にまで警戒心を持っているというのだろうか。  確かに一度白井から、僕、なんだかいつも鷹田さんに睨まれてる気がするんですよ、と困惑気味に告げられたことはあったけれど……。  恋人の思いがけない悋気に触れて、真人はその熱にじわじわと灼かれるような感覚に震えた。 「いいか」  鷹田は真人の太腿に手を這わせながら、もう片方の手を尻の狭間へと滑らせ、まだ熱くぬかるんだそこへ、スッと長い指先を一本挿し入れた。 「はぁあ…んっ」  白い肢体をくねらせると、鷹田は我慢ならないというように真人の尻を掴んで自分の腿の上に乗せ、脚を大きく開かせた。 「あっ…いや…っ」  怒張の先端が、ひくひくと蠢く花蕾をぬるぬると愛撫し、真人ははしたなく喉を鳴らした。 「どこを触られたんだ」 「え、」 「あいつらに、どこを触らせた」 「あ……」  真人はうろたえて、咄嗟に俯く。 「お、お尻……、でも、ちょっとだけ、だから」  クソッと呟いて、鷹田が真人の尻をぎゅっと掴む。 「ご、ごめん、ごめんなさい……修司」 「二度と他の男に触らせるな」  苛立ちを隠そうともしない恋人に、真人の胸が甘く痺れる。剥き出しの独占欲に、全身が熱く灼かれてたまらなくなる。
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