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「ねぇ…」
「あのさ…」
私とチコ、躊躇いながらも同時に話し出してしまった。
「いやいや、どーぞどーぞ」
「いえいえ、こちらこそどーぞどーぞ」
二人して動揺してダチョウ倶楽部みたいになってしまった…!
結局、私がチコを促して先に話を聞く事にした。
「気を悪くするかもしれないけど、一つだけ、聞かせて」
チコは真剣な表情で私を見つめる。
それはきっと私の聞きたい事と繋がっている。
「こっこちゃんは、今もアキさんが好き?」
どう伝えたらいいんだろう。
そして、ちゃんと伝わるんだろうか?
私は考えを纏めながらゆっくり話し出した………。
「生卵をぐるっと回転させてから止めようとしても、なかなか止まらないでしょ?
私はそれと一緒。
小さい時からアキさん…あっくんの後を追いかけてて、ずっと好きだった。
何度告白しても好きな子がいるから、って断られ続けたけど、それでも諦めきれなかった。
でもね。去年初めて二人一緒に居る時のチコを見るアキさんの表情を見て、終わったのが解ったの。
未練が無いとは断言出来ないけど、奪いたいとかは無いから安心してね。
それに。
私だけを見ていてくれる人がいるから……」
言葉にしたら解った事。
私が今傍に居て欲しいのは――。
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