19人が本棚に入れています
本棚に追加
去年の春から「お付き合い」ってカタチが始まって。
「梢の気持ちを無視したくない」って言って、
触れると言っても手を繋いだり頭を撫でてくれたりで、一番頑張ってハグ迄だったのに。
額とはいえキスなんて初めてで。
練習を始めたユキさんは、真剣な目をしてスコアを追いながらスティックを操る。
今更だけど、あまり彼をきちんと見ていなかったなぁ、と気付く。
小さい時からずっと一緒に居て、気付こうともしなかったけど、私はこんなに大事にして貰ってたんだね…。
そーだよね。
この気持ち、思い出した。
視線をアキさんに向ける。
チコと頭を寄せて何か説明してる様子なんだけど。
彼への思いは、焦がれる思いとは別の物、ってはっきりと言い切れる。
「あ。来た…」
歌詞が、閃く。
今の私の気持ちを、言葉にしたい。
最初のコメントを投稿しよう!