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娘の誕生日には家族でディズニーリゾートのホテルに宿泊し,二日間かけてディズニーランドとディズニーシーを周るのがわが家の一大イベントとなっていた。
当然,僕と妻の両親の援助があっての話だが,娘は毎年お姫様の恰好をして,髪の毛とネイルを綺麗にセットしてもらいプロのカメラマンに撮影してもらっていた。
妻のご両親は比較的近くに住んでいるのだが,僕の両親は遠方にいるため,毎年娘のドレスアップした写真を送っていた。
僕はそんな娘の成長を見るためにこの世に生まれてきたのではないかと思えるほど,娘が愛おしかった。
ディズニーキャラクターのなかでジェラトーニが一番好きだと言っていた娘が,ある日シェリーメイの人形を欲しがるようになったまでは理解できたが,リトル・グリーンメンに固執するほどハマっていく姿は父親として複雑な心境だった。
五歳の誕生日にお姫様ではなく,リトル・グリーンメンになりたがる娘を説得するのに妻があの手この手を使って数日かかったのは少しおもしろかった。
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