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隣の彼
高校生になって3度目の桜の季節。
去年はジャンケンに負けて出来なかった図書委員になれた。
しかも、相手の男子は一ノ瀬君。
1年生の時は、毎週の様に本を借りていたくらいだから私と同じで本が好きなのだろう。
図書室で彼と同じ時間をまた過ごす事ができる。今度は同じ図書委員として。
それに2年の時はほぼ接点のなかった彼とは、3年になってすぐ隣同士になった。
何気ない朝の “ おはよう ” の挨拶が特別なものに変わった。
学校に来るのが楽しくなった。
彼の字が、少しだけ右肩上がりなのも初めて知った。
英語が好きで、科学が少しだけ苦手なことも。
彼の隣で日々、新しい彼を見つける事が私の日課になっていた。
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