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その日は今まで知らなかった一ノ瀬君の新しい一面をたくさん見ることが出来た。
初めて見た一ノ瀬君のユニフォーム姿やボールを追う姿に胸の中はもういっぱいでずっとドキドキしっぱなしだった。
本当はこれ以上、好きになりたくないのに……。
紫乃がここにいなくなっても、一ノ瀬君の隣は今もきっと紫乃の場所に変わりはないから。
それに、例えそうじゃなかったとしても私の気持ちは誰にも知られる事なくいつかは終わりを迎える。
だけど、そんな思いとは裏腹に一ノ瀬君を見て胸をときめかせ幸せを感じている私もいた。
高校生でいられる今だけ…卒業して彼に会えなくなればきっと自然に忘れられる時が来る。
それが、この片思いの結末だからーーー。
その時の私は、そう思っていた。
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