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新しい上司
「本日の業務内容は以上のようになっております」
「ありがとう。松野君」
「いえ、それでは失礼致します」
頭を下げ、常務の部屋を出た私を待ち受けていたのは同じ秘書課の同期でもある田辺 陽奈(ひな)。
「ちょっと杏奈、こっち来て。」
彼女は一応小声でそう言うと私の腕を掴み、連れてこられたのは秘書課の隅にある給湯室だった。
「今日から来る新しい専務って杏奈はもう会った?」
小声でも、陽奈の様子から興奮しているのは分かる。
「…まだだけど、って言うか直属の上司になる人なのにまだ名前さえも知らされてない。」
「そうなんだ。さっき上の会長室にすっごいイケメンがいたって先輩たちが騒いでたんだけど、もしかしたらその人が新しい専務なんじゃないかってみんな噂してて」
「へーそうなの?ま、取り敢えずパワハラとかセクハラさえなければ私はどんな人でもいいんだけどね」
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