カラスの心ニワトリ知らず

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「ほら、出ろよ。」 「?出てどうするんだ?」 首を傾げつつも鴉の言う事に間違いがあった事はないから仕方ない。大人しく後ろをついて行く。 オレはそこまで飛ぶ事は得意じゃないし、鴉もそれは重々承知だからか早足でケージから離れる。少し距離が開いて、全体が見えるようになったケージはいつか鴉に聞いたサイコロのような形だった。 「......この辺でいいだろ。」 暫く歩くと、外は初めてみる黒い道ばかりで少し肌がジリジリとする。コレはなんだ?鴉はオレに何をしろと言うんだ? 1人で首を傾げていると鴉がはーーーーっと重く長い溜息を吐き口を開く。 「お前偶にはこっちの気にもなれよ。......顔見知りに死なれんのは夢見が悪いんだよ。だから逃した。質問は?」 いきなり出た物騒な言葉。 死ぬ?誰が?何で?オレはさっき鴉に宣言した通りピンピンしてるし、鴉も見たところ病気のようにも見えない。 逃したと言うのもよく分からない。オレは捕まって居たのか?と言うか、そもそも。 「顔見知りって誰だ?」 お前の事だよ!!っと速攻で返されたモノだから、オレとお前はダチだろ!っと満面の笑みで返しておいた。 鴉の眉間のシワが濃くなった気がする。 「......なんで今にも出荷されそうになってたお前がそんな呑気なんだよ。」 鴉の言葉は基本的に、オレには大分難しすぎる。
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