母と広樹

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昔、母に訊いた覚えがある 「僕の名前はなんで広樹なの?」 「大きくなったらたくましく小鳥を集められるような友達の多い樹のようになってほしかったからだよ」 僕には父親は物心ついた頃からおらず、幸子という母しか身内はいなかった 僕は当時八歳で、母には 「広樹はほんとうにいい子だねえ。大きくなったら広樹は何になるんだろうねえ」 といつも言われていた 僕は母が好きだった しかし母は次第に病気がちになり、僕を養ってくれるだけの金銭的余裕がなくなってしまい、僕は施設に入って母と離れ離れになった
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