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9、巨大な勢力
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源さんから今の状況と争っている派閥を説明してもらった。
源さんは元々、前ボスの側近として地域をパトロールし治安を守る立場であったこと、いわゆるナンバー2だったわけだがボスが突然姿を消してからは代理でボスの役目を果たしていたこと。
だが今まで前ボスの力によって抑えられてきた野心家、今までのやり方に疑問を持っていた血の気の多い連中がここぞとばかりに徒党を組み、邪魔な源さんを殺してしまおうと襲いかかるのだが、なんとか逃げることは出来たのだが怪我を負わされ一線から離れている間に新ボスの話が持ち上がり今に至るということ。
源さんは前ボスの考えに共感している。この争いを終わらせるために自分を襲った猫達と話し合いを求めたのだが断られたため力ずくでこの争いを終わらそうとすることを決意したらしいということ。
それには1匹でも多くの仲間が必要なこと。
しかし縄張り内の猫はほとんどが敵だということ。
身を隠してやり過ごしていた源さんの傷は完璧に癒えてはおらず、なりふり構っていられない状況の中で僕と出会ったということ。
状況は絶望的だ。
「絶望ついでに、、、」源さんは続ける。
「特に気をつけなければならない猫が2匹いる。
そのうちの1匹は俺を襲ったやつなんだが、こいつははっきりいって俺の手に負えねー。
味方じゃないやつは無条件でやつの餌食さ」
絶対に会いたくない。源さんですらここまで言っているのに自分でどうにか出来るわけがない。
猫社会の厳しさに愕然とした。
その後、源さんからこの場所には近付いてはいけないという場所を教えてもらい源さんは闇夜に消えていった。
源さんも怪我をしている。目立つような行動は避けたいのだろう。
源さんと別れた途端に身体の力が一気に抜け落ちてしまったかのようにその場に倒れ、気絶してしまった。
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