1人が本棚に入れています
本棚に追加
5、夢
5
「起きなさい!ねぇ、起きなさいってば!」
、、、、
誰かが自分に話しかけている。もう朝なのか、寅之助は寝ぼけながらもゆっくりと目を開けた。
辺りは暗い、まだ夜中である。
寝ぼけて夢でも見ていたんだろうとまたゆっくりと目を閉じた。
「起きなさいって言ってるでしょ!」
どうやら夢ではないらしい。女の人の声に聞こえるが母親の声ではなさそうだ。
女の人が夜中に家に来るなんてまず考えられない。
まさか、、幽霊?寅之助はパニックになった。
昨日、猫の集会を目の当たりにして、家に帰ってきて、寝ていたら今度は女の人の声がする。
ありえない体験がこうも続くとは。
怖いのは苦手だ。目を開けたら見えてしまうかもしれない。
寅之助はこのまま目をつぶってやり過ごそうと思った。
瞬間何者かに思い切り頭を叩かれた。
寅之助はびっくりして飛び起きた。
幽霊が頭を叩くはずがない。辺りは暗かったが徐々に慣れてきた目で周りを見渡す。
目の前にはあの三毛猫がいた。不思議に思っていた瞬間寅之助は耳を疑った。
「良かった。やっと起きた。」
確かに目の前の猫が喋ったのだ。起こしていたのはこの三毛猫だったのだ。
まだ夢でも見ているのか?
最初のコメントを投稿しよう!