第1話  平凡に生きたい

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「いや、いらんし。転生もしたくない」 「そうでしょそうでしょ! 今回のは全属性のブーストが……は?」 「ん?」 「え、今いらないって言った?」 「言った。いらん。めんどくさい」  オレがそう言い切ると、女神は顔を真っ赤にして震えだした。そもそもコイツは本当に女神なんだろうか?   なんだか神様っぽさに欠けてるような気がする。 「アンタねぇ、前回失敗したからって私の力なめてんでしょ?!」 「いや、そうじゃねえが。何もしたくないだけ」 「あぁもう! 10代のクセにジジイみたいな事言ってんじゃないわよ!」 「ふーん、オレって10代なのか。いくつ?」 「18! ってそこじゃない!」  歳聞いたらキレられた。なんだよコイツ、沸点低すぎ。自分の年齢を聞いちゃうオレもアレだと思うが。 「ともかく、アンタの転生はもう決まった事なの。ブツクサ言わずに復活しなさい」 「マジかよ。そうやって何度も生き返らせるってマズくないの?」 「細かい事はいいの! 面倒くせえガキが」 「あーもう、クッソだりぃ。死んだままでいいじゃんよー」 「うっさい。あと近いうちに、もっとすんごいチート能力持っていくから。そんときは私に感謝しなさいよ!」 「えー、いいよそんなん。平凡に生きさせてくれよ」     
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