君の声

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「ねぇ聡(さとし)、何食べたい?」 「・・・・・・」 「ピザとか?」 デパートのレストラン街。 聡に、買い物に付き合ってもらっていた。 「・・・・・・」 いろんなメニューがおいてあるディスプレイを見てから 聡は首を横に振った。 「じゃあ・・・・・・あ、ここから何がいいか選んでよ」 全てのレストランが表示してある掲示板に、聡を連れてく。 「・・・・・・」 少し考えた後 聡が一つのお店を指さして、そして私の顔を見た。 「ここファミレスみたいなもんだよ?」 「・・・・・・」 「私は別にいいけど、聡はこんなとこでいいの?」 私の問いかけに、聡は頷いた。 …-聡は、言葉を発さない。 聡と知り合って間もない頃 聡の友達と会った時に聞いた。 聡は昔 まだ小さい頃。 その頃はまだ、楽しいことが大好きで おしゃべりも大好きなやんちゃな子だったらしい。 だけどある日の事。 "うるさい。ウザイんだけど" ささいな一言が 聡の言葉を奪った。
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