君の声

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「じゃあ、また遊んでね。今日はありがとう」 「・・・・・・」 私はこの時間が嫌いだった。 聡と一緒に過ごす時間は好きだけど、別れるこの時間が嫌いだった。 だっていつも、言葉のないお別れだから。 言葉のない別れは、本当はすごく、寂しいから。 「バイバイ」 笑って、聡に小さく手を振った。 「・・・・・・」 聡は、少しうつむいたあと、小さく手を振り返した。 背中を向けてゆっくり一歩を踏み出した。 その時だった。 「・・・・・・杏奈」 声が聞こえた。
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