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参拝をし終えると、わたしは砂利の音を立てながら、いよいよ目的地である恋みくじ売り場へと向う。巫女さんに100円玉を納め、恋みくじの棒に記してある番号を見せ、吉凶が書かれている、みくじをもらった。
わたしの態度があれだったのか、巫女さんは少し驚いた様子だった。
「大吉、大吉、大吉……」
と、また念仏でも唱えるように渡された、みくじの紙を開いたからだろう。
だが!
「凶、待ち人去る……」
唖然。お先真っ暗な現実が襲いかかってくる。狂信していたのに……。
わたしはこの結果が大吉だったら、自然にわたしの元へと彼がやってくることを、心のどこかで願っていたんだ。いや、そうあるべきだと信じていた。神様の力にしか、わたしは頼ることができないから……。
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