アガスティア

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「新機能って、こんなバカげたモノだったんだな。もう読んだ?」僕は食堂でランチを食べながら、周平に話しかけた。 「いいや、まだだ。さすがに10万円となると簡単に食指は動かないわ。でもすげぇ気になる」周平はハンバーガーを食べながら言った。 「過去ならまだしも、未来を予測できる人工知能なんて無いだろ」 「どうだろうな・・・・・・俺の親父はレストランを経営しているって言っただろ。こんなことを親父から聞いたことがあるんだ。店の売上げは1年前の今日の日と恐ろしいくらいに一致するとね」 「・・・・・・なにそれ」 「これは飲食店あるあるなんだよ。人間は知らず知らずのうちに1年前と同じ行動をとっていると言うんだ。だから売上げもほぼ同じ。客の顔はいちいち覚えられないけど、実は1年前と同じ人が客として来ているんじゃないかって」 「そんなわけないだろ」僕は反論した。 「無いとは言い切れないだろ。スポーツ選手がルーティンをすることによって勘を取り戻すのと同じで、俺たち人間は1年という周期の中で同じ行動をとるようにプログラミングされている可能性がある。宇宙にある星々が規則性を持って動いているのに、何で地球に生まれたちっぽけな生命体である人間が、その規則性から逃れられるんだよ」
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