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――ボフッ!
「ぐ、なかなか手ごわい・・・・・・」
「もう、すぐそれなんだから」
ロイが枕を抱えて寝転がる。
「だって、俺はこんなにお前のことが好きなんだぜ?」
「・・・・・・そんなのはわかってるけど」
なんて、ちょっと自惚れ発言ね。
「あ・・・・・・そういえば、美琴ちゃんに心配されちゃったんだ」
「おっかねーねえちゃんか。なんだっって?」
「たいしたことじゃないんだけど、ロイとうまく行ってるの?」 って」
「そんなのうまくいってるに決まってるじゃんなあ!」
「うん・・・・・・、だからそう答えたんだけど、なんか美琴ちゃんの反応が気になってね」
理由はわかってる。美琴ちゃんは、いまいちロイ事を信用してくれていないのよね・・・・・・。
私のことを心から好きなのか、人間界に残るための理由にしているだけなのか・・・・・・。
信じたい。ロイは本当に私のことを好きなんだって。
「なんだ、美琴は俺たちのことを反対してるのか?」
「ううん、そうじゃないんだけど」
私の否定の仕方が曖昧だったせいで、ロイは深々とため息をついた。
「お前の周りには反対なヤツもいるのか・・・・・・、まあ聖は置いといて、だ」
「だから、そんなこと、ないと思うけど・・・・・・」
「どうせだったら、皆に祝福されて付き合ってそうなりたいよな。 あー・・・・・・人間になれたらなあ」
仰向けになって、ロイが呟いた。
「そうだね、そうなったら・・・・・・素敵だね」
「だろ? あーあ、なれたらいいよなあ・・・・・・」
ロイが大きくため息をつく。
「でも、私は今のままのロイで・・・・・・好きだよ」
「・・・・・・」
ロイが目を潤ませて、近づいてくる。
艶っぽい表情にドキっとして、思わ動けなくなる。
「やっぱりお前は最高だ! チューさせろっっ!!」
私の好きをついて、ロイが飛び掛かってきた。
・・・・・・もう、やっぱりこうなるのね!
「もうっ、ロイ! 調子に乗らないの!!」
私がさっとペンダントに手をかけると、急ブレーキがかかったようにロイの動きが止まる。
「・・・・・・っとお! 危ねぇ!! あー、人間だったらコレも平気なのになぁ」
ロイが苦笑いを浮かべて、頭を?く。
「こういうとき魔物で良かった気がするわ」
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