第1章

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 ――ボフッ!  「ぐ、なかなか手ごわい・・・・・・」  「もう、すぐそれなんだから」  ロイが枕を抱えて寝転がる。  「だって、俺はこんなにお前のことが好きなんだぜ?」  「・・・・・・そんなのはわかってるけど」  なんて、ちょっと自惚れ発言ね。  「あ・・・・・・そういえば、美琴ちゃんに心配されちゃったんだ」  「おっかねーねえちゃんか。なんだっって?」  「たいしたことじゃないんだけど、ロイとうまく行ってるの?」 って」  「そんなのうまくいってるに決まってるじゃんなあ!」  「うん・・・・・・、だからそう答えたんだけど、なんか美琴ちゃんの反応が気になってね」  理由はわかってる。美琴ちゃんは、いまいちロイ事を信用してくれていないのよね・・・・・・。  私のことを心から好きなのか、人間界に残るための理由にしているだけなのか・・・・・・。  信じたい。ロイは本当に私のことを好きなんだって。  「なんだ、美琴は俺たちのことを反対してるのか?」  「ううん、そうじゃないんだけど」  私の否定の仕方が曖昧だったせいで、ロイは深々とため息をついた。  「お前の周りには反対なヤツもいるのか・・・・・・、まあ聖は置いといて、だ」  「だから、そんなこと、ないと思うけど・・・・・・」  「どうせだったら、皆に祝福されて付き合ってそうなりたいよな。 あー・・・・・・人間になれたらなあ」  仰向けになって、ロイが呟いた。  「そうだね、そうなったら・・・・・・素敵だね」  「だろ? あーあ、なれたらいいよなあ・・・・・・」  ロイが大きくため息をつく。  「でも、私は今のままのロイで・・・・・・好きだよ」  「・・・・・・」  ロイが目を潤ませて、近づいてくる。  艶っぽい表情にドキっとして、思わ動けなくなる。  「やっぱりお前は最高だ! チューさせろっっ!!」  私の好きをついて、ロイが飛び掛かってきた。  ・・・・・・もう、やっぱりこうなるのね!  「もうっ、ロイ! 調子に乗らないの!!」  私がさっとペンダントに手をかけると、急ブレーキがかかったようにロイの動きが止まる。  「・・・・・・っとお! 危ねぇ!! あー、人間だったらコレも平気なのになぁ」  ロイが苦笑いを浮かべて、頭を?く。  「こういうとき魔物で良かった気がするわ」
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