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「ロイ! ロイ、しっかり!? 大丈夫!?」
横たわるロイを抱き起こすと、ロイはバツの悪そうな顔をして静かに笑った。
「・・・・・・はは、なんともないみてーだ。俺の身体は死ぬどころか傷つきもしないんだな」
「なに言ってるの? バカ、なんでこんなこと!」
「・・・・・・死んだら、生まれ変わって人間にでもなれるかなって思ったんだ。でも・・・・・・無理みたいだな」
ロイは泣いてるんだか、笑っているんだかわからないくちゃくちゃな顔で空を見上げた。
「バカ! ロイのバカ! 死んだら嫌だったら!!」
私は思いきり泣きながら、ロイの身体を力いっぱい抱きしめた。
「帰ろうよ、ロイ・・・・・・。きっとなにかあるから、一緒に居られる方法が。お願い、諦めないで」
「・・・・・・かなた」
「死ぬなんて言わないで、勝手に居なくなったりしないで! 私はロイの傍にいたいの、私はロイが好きなのっ!」
泣きじゃくる私をロイはそっとだきしめてくれた。
「・・・・・・ロイ大好き・・・・・・、一人で勝手なことしないで、私にもちゃんと話してよ・・・・・・」
「・・・・・・ごめん。俺がバカだったよ、お前を逆に悲しませちゃったんだな。・・・・・・俺もお前が大好きだよ」
ロイがぎゅっと私の身体を抱きしめる。
私もロイを離さないようにきゅっと腕に力を入れた。
「帰ろう、ロイ。一緒に帰ろう・・・・・・」
「・・・・・・うん」
私たちは街中だというのに、しばらくそのまま抱き合っていた。
ロイの体温をやっと感じられて、恥ずかしさより嬉しさでいっぱいだったから・・・・・・。
ダイニングから、賑やかな声が聞こえる。
「やっぱり銀の弾で撃つほうが早いんじゃないか?」
「てめー、殺す気かよ!」
「生まれ変わって、人間になりたいって車につっこんだ人も、居たけど・・・・・・」
「うぐ・・・・・・っ」
「自分でコントロールできないってのが子供だよな」
「うるせえな! 子供扱いすんな!!!」
「・・・・・・一度魔界に帰って、満月の状態を持続経験したほうが・・・・・・いい」
「それが一番の最善策か・・・・・・」
「どれくらいかかるかなぁ・・・・・・」
ロイが帰ってきてから、3人は毎日古い文献を調べてロイの力のコントロール方法を探している。
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