第2章

6/10

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
 この2人は判ってくれてるのね、私がこれから言おうとしてることを。  ロイに自信がないのは、私のことが好きだからこそってことも、もうちゃんとわかっている。  私は大きく息を吸い込んでから、ロイに向かってわざと怒鳴った。  「・・・・・・ロイのバカっ!!!」  ロイがビクっとして、目をまん丸のする。  「・・・・・・え?」  「私のことをあまり見くびらないでくれる? 私はね、ロイのことが好きなの!」  こんなこと、はっきり言わないとならないなんて、本当に鈍いんだから。  「ロイがまっててくれっていったら、どんなに時間がかかってもまってるわよ! 待って言ってくれなくたって待ってるの!!」  「だから、ロイはバカ犬なんだよな。彼女の気持ちをも理解できない」  フロリアがロイの頭をぽふっと叩く。  「彼女が強くて優しくて綺麗だって・・・・・・、ロイが一番わかってる、はず」  ユーゴも同じように頭をペシっとはたいた。  「フロリア、ユーゴ・・・・・・俺・・・・・・」  「いってらっしゃい、ロイ」  ロイは私の両肩を抱きしめて、真面目な顔になった。  「・・・・・・俺が戻ってくるまで待っててくれ。 ちゃんとコントロールできるようになって帰ってくるから、絶対!!」  「・・・・・・うん!」  ロイがその返事とともに私のことを、強く抱きしめる。  「やっぱり大好きだ! 愛してるぜ! くー、今すぐチューしたい! さぁしよう、すぐしよう、たくさんしよう・・・・・・ん~~~」  「ちょ、ちょっとロイ・・・・・・!?」  フロリアとユーゴの前でそんなことを言い出すロイにおろおろしていると、すかさずフロリアがロイの頭をはたいた。  「バカ犬はすぐ周りが見えなくなるな!」  「・・・・・・てっ! なんだよ、気を遣って消えろよ、お前ら!」  「準備とか・・・・・・色々忙しいから・・・・・・いちゃいちゃは、お預け、だ」  「ちぇ、しょうがねえか」  ロイに降ろされると同時に、4人の目が合い自然に笑いあった。  「そうよ、ちゃんと力がコントロールできるまでお預けよ」  少しでも早く帰って、その分早く戻ってくるからと、ロイは笑って言った。  それだけの決意があるんだもの・・・・・・きっと、大丈夫。  「・・・・・・ん、それじゃ行ってくる! 絶対すぐ帰ってくるから待ってろよ!」  
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加