第2章

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 「嬉しいよ・・・・・・ロイ」  きっと、並々ならない修行をしたんだろう。  魔界からでるには半端な力ではダメだと言うし、もしかして一族でも指折りの猛者になっているのかもしれない。  「俺さ・・・・・・これからは、人間の世界でおまえと生きていきたい」  顔を上げ、優しい瞳で私を見つめるロイ。  「でも・・・・・・私が先に年を取っちゃうのよ・・・・・・」  以前、ロイに言われた言葉が脳裏をよぎる。  (俺、おまえが年を取るのを見たくないんだ・・・・・・。でも俺は魔物だから・・・・・・おまえよりずっと長生きする)  今はいいわ。  でも、もっとずっと先・・・・・・私たちに訪れる終幕の足音・・・・・・お互いに、悩むに違いない。  私の考えを振り払うように、ロイは、ゆっくりと首を振った。  「おれな、おまえがしわくちゃになっても、ずっと愛してる」  「ろ、ロイ・・・・・・?」  「それにさ、おまえと暮らすために、すっげー魔法も手に入れたんだぞ」  「魔法?」  「ああ、おまえの時間に合わせて、同じように年を取っていける変身魔法だ」  「そんなこと・・・・・・出来るの?」  「まぁ、魔力をちょっと使うから・・・・・・、他の奴らより寿命が・・・・・・まぁ半分くらいになっちまうんだと思うんだけどな」  「そんな! 私のために・・・・・・!」  驚く私の頬に、ロイが指をかける。  「バカだな、どんなに寿命が長くてもさ、おまえがいなきゃ俺の人生意味が無いだろ。だから、出来るだけ、おまえの傍にいたいんだ」  「ロイ・・・・・・本当にいいの?」  「ああ・・・・・・だからさ、これからの人生。俺と一緒に過ごしてくれ、かなた」  「うん・・・・・・」  嬉しくて、涙がはらはらと零れる。  「こら・・・・・・泣くなって・・・・・・俺こそ、断られたらどうしようって、ビクビクし通しだったんだぜ」  ロイはその涙をぬぐって、微笑む。  「俺はこの月に・・・・・・お前に誓う。・・・・・・限りある人生を・・・・・・永遠に・・・・・・おまえと・・・・・・」  そう言って、私に・・・・・・キスをした。  毎晩、祈りを込めて、一人見上げていた星空。  ロイが帰ってきますように。  早くロイに会えますように。  笑って抱きしめてくれますように。  
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