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「さて」が言えない名探偵 (いち)
名探偵。一同集めて、「さて」と言い―――
そんなシーンを見ていると「まるでクラスの人気者みたいだ」とボクは思う。
皆の視線を一身に集め。
その言葉に耳に傾ける。
それが出来てこそ―――、真実によって他者を導ける“カリスマ”があってこそ―――、物語の名探偵は名探偵たりえる。
よってボクには無理なのだ。
毎日トイレの個室でお弁当を食べているようなコミュ障なボク。
コミュ障探偵―――六轆轤くろ(ろくろくろくろ)には、その「さて」が言えないのである。
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