第16章 与えられた運命

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少し前を歩くジンがチラとこちらに視線を寄越すときの目の光が徐々に昏さを増していく。 吉野さんが見せた目の光に少し似ているけど、でも違う。 違う。 「ジンさん」と私は男の名前を読んだ。 「はい?」と、立ち止まって振り返る。 「どこに行くの?」 「もう、すぐそこですよ」 「何を・・・企んでいるの?」 「企む?・・・ふふ。そんなに怯えないで。君を傷付けません」 「話がしたいだけなんだけど、行かなくちゃダメなの?」 「話がしたいなら尚更、来てもらったほうが早い」 「ナナコさんは・・・?」 「さあ、すぐそこですから」
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