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ジンはそう言うと、私の手を引いてまた歩き出した。
振り払って逃げることがどうしてできないのか。
・・・わからない。
そっちに行ってはいけない、という悪い予感しか感じないのに。
わかっているのに・・・まるで自分の身体が操られているみたいな・・・。
明るい栗色のドアが突然目に入ってきた。
そのドアだけが他のドアよりも新しくてピカピカに磨き上げられたように輝いている。
ジンは曲線を描くドアノブを握ると、その大きな両開きのドアを開けて私を招き入れた。
ドアの中は別世界だった。
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