第16章 与えられた運命

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一人になるとこの部屋の異様な雰囲気が濃厚になった。 なんだろう。 記憶の中の部屋とは全然違うのに、ここを知っている気がする。 天蓋の天井を見るとなぜか鏡が一面に張ってあって、私がこちらを見下ろしていた。 これは・・・何のために? それにしても、なんていう破廉恥な恰好をさせられているんだろう。 逃げられないようにしているのかもしれない。 ベッドを調べたけど、特に変わったようすはないみたいだ。 マットレスをはがしてみると、棺桶のような長い箱が置かれている。 開けてみようとしたけど蓋が全く動かなかった。 いよいよ吸血鬼というワードの信憑性が濃く色付いてくる。 不老不死と呼ばれているくせに生存率の低そう。 あの透けるように白い肌とか、人間離れした美貌とか? 自分はその一人から生み出されたクローンだ。 私もとうやくんから見れば、お人形みたいに見えるのかもしれない。
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