第1章 出会い

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 給食の時間になると、班ごとに島をつくって対面式になる。うちのクラスは男女仲も悪くはなくて、特に問題は起きたことがなかったけれどこの日は違った。 「陶山さん、机をこっちにくっつけて」 「……なんで?」 「ほら、見て。皆やってるでしょ?」 「……私は……このままでいいから」 「そういうわけにはいかないの。ここではここのルールがあるんだよ」  クラス委員の斎藤ほのかが陶山の机を持ち上げようとすると、陶山はその手を払い除けた。驚いたほのかが思わず叫ぶ。 「ちょっとぉ! なにするの?」  傍で見ていたほかの女子がほのかの加勢に入ってきて。 「あんただけ、わがままが許されるわけないんだからね!」  あっという間に女子達が大騒ぎし始めたようだ。
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