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「クリスタルスパイダーは、全身が鉱石になっているの。強さによってその質が変わるけれど、まあそこまで強い個体と当たることはないでしょう」
相変わらず軽いアケミさんだが、重要なことを忘れている。
「俺、戦う方法何も教わってないけど」
「森を歩いていれば嫌でも覚えるわ。私がそうだったもの」
思ったよりスパルタな方向で話が進んだ。
「これが依頼にあった植物よ。回復薬の元になる植物だから覚えておいてね」
「あれは植物がたの魔物。自我も害もないけれど、こちらが攻撃すれば反撃をしてくる。たまに街にやってきていたずらした子どもがけがをするから、討伐対象になっているわ。食べるとおいしいから、そっちがメインだけどね」
時折アケミさんがこうして解説を加えてくれながら、森の探索は順調に進んだ。
使える植物を見つければ足をとめ、覚えさせられる。便利なことにそのまま口に含んでも体力を回復させるようなものや、稀にだが魔力を回復したり、力を与えてくれる植物も教えてくれた。
逆に毒になるものも教わったが、この辺で特に問題になるようなものはないらしい。というか、見た目が毒々しいのでわざわざ教わるまでもなく、食べようとは思わなかった。
「ほんとに噛みついてくる実があるとは思わなかった……」
「表情によって種類が分かれるけれど、あれは毒があるタイプね」
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