本編

8/40

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「刺激が強すぎたかしら?」  さっきまで考えていたアケミさんも実は経験ないのでは説は、少し怪しげになった。  そうこうしているうちに時も過ぎ、今日のトレーニングを終えることになった。 「シャワーくらい、浴びてきたら?」  まだ湯気の立ち上るアケミさんの色気は、もはや俺には耐えがたいものになっていた。何の試練だこれは……。 「えっと、まさか一緒の部屋とは……」 「もう私は国賓扱いだから、部屋を分けるように言えばできるとは思うけれど、どっちがいいかしら?」  悪戯気に微笑むアケミさん。俺の異世界生活は、この美女に振り回されていくことになるんだろう……。  こうして俺の異世界生活一日目が終わった。  ‐‐‐ 「今日はこの世界で生きるための術を教えるわ」 「よろしくお願いします」  簡単な魔法を使えるようになった俺は、冒険者ギルドへとやってきた。 「おい、アケミだ……」 「一緒にいる男は誰だ?」 「アケミが連れてきたんだ。ただ者じゃないだろ……」  アケミさんのせいで勝手にハードルが上がっている。しがないチェリーボーイにそんな期待をしないでほしい。     
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加