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彼はいつもシズナさんに会いたがっていました。私も彼に会いたいと思うようになりました。科学が進んだ私たちの世界でも、遠く離れた地球まで行くのは容易なことではありません。けれど彼の夢の中へなら行くことができます。私はシズナさんの姿を借りて、彼の夢の中へ入ることにしました。彼はずっとこうしたかったと、私をぎゅっと抱きしめてくれました。私も彼をぎゅっと抱きしめました。心が間近で繋がり合って、熱い気持ちが胸の中で膨らみました。彼は私に口づけを求めます。私はそれを受け入れました。そして私たちは夢の中で結ばれたのです。でも夢から覚めると、夢の中で感じていた喜びよりも、ずっと大きな寂しさが私を苦しめます。夢の中で会えば会うほど、ますます寂しさが強くなって、彼に会いたくなりました。
私は決断しました。とても高価な地球へのチケットを手に入れて、そして姿もシズナさんそっくりに変身しました。彼を騙すことになるのはわかってます。でも一度だけでいいんです。一度だけ会って夢ではなく本当に彼を抱きしめたい。
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