第5章

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第5章

       施設では、利用者さんが楽しめるように色々なカリキュラムがあって、リハビリを兼ねた運動や体操、折り紙や手芸や料理、囲碁や将棋、カラオケやゲームなど、ぼくたちスタッフがアイデアを出し合って考えたものを実施している。      今は別の長テーブルで、五人の利用者さんたちが陶芸をやっている。      陶芸って、なかなかいいでしょ? これはスタッフの話し合いから生まれたカリキュラムで、土をこねたり、成型したりする動作は心を落ち着かせたり集中力を養うのにいいみたい。指先を動かすことで脳や神経の働きを活性化させるから、作業にはもってこい。大人にも子どもにもいい。ホームで陶芸用の小さな電気釜を購入してもらったので、小ぶりの皿や茶碗くらいは焼ける。        自分で作ったものが一つの作品となって残る、しかも使えるって楽しいと思わない? じゃあ、おまえがまずやれよ!って話だけど、そんな時間は残念ながらない。
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