第5章

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「どれどれ」  ぼくは竹田さんのお腹をなでる。 「うん、ごはんがいっぱい入っているよ。食べてる、食べてる」 「おかしい。こんなにお腹が空いているのに。ねぇ、本当に私のお腹にごはん入ってる?」 「入ってるよ。だいじょうぶだよ」 「そう」 「外はお日さまが照っていて気持ちがいいよ。一緒に外に出てみる?」 「そうねぇ。今日はやめておくわ。オーバーを忘れた。もうすぐ冬だもの、外は寒いから」 「わかった」 「ゆうちゃん、外に出て遊ぶなら、マフラーと手袋をして行きなさい。風邪を引くから」 「うん」  初夏の強い光の太陽を見ながら、竹田さんはそう言う。    
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