第2章

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       遅れても仕事には行く。ちゃんとあやまって、頭下げて、仕事は仕事で一生懸命やる。でも、職場の人には「またか!」って顔されて、むっとした態度のまま返事もしてもらえない。イヤな気持ちになって、思ってる以上にヘコむけど、しょうがない。こんな思いするなら、もう二度と遅刻しねぇぞ!って毎回思うのに、また繰り返す。        なんでかしら。残念にも睡眠を取るのが下手に生まれて来たことと、仕事はちゃんとやろうとする気持ちは同じぼくの中にあるので、プラマイ0くらいで見てほしいなと思うけど、ダメだよね。すいません、起きられないぼくが、一方的に悪いです。あ、ちなみにこれは黄昏れじゃない。普通に残念なことだから。        で、もう一度言うけど、ぼくは、ぼく的に結構まじめに働いている。最初はすげぇ驚いた。あんなにたくさん授業受けたのに、あんなに何度も実習したのに、現場で見るもの、やることは、ほとんど全部予想外、想定外。知らないことばっかり、どうしていいかわからないことばっかり、できないことばっかり。        このくらいできるでしょって職場の人は思ってるみたいで、案外誰も教えてくれないし、何回も失敗して怒られて、それでもやるしかなくて、仕事がどんどん流れてきて、やったことが一体何になって、何ができるようになったんだかもわからないまま時間が経って、知らないうちに一日の流れがわかるようになって、いつのまにかその仕事をこなしている。結局、目の前のことをやるだけで日々が過ぎてく。知識必要なし。        だって、人間同士のぶつかり合いなんだぜ、介護する方も、される方も。そんなの理屈でなんかどうにもならない。
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