12.逃避

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 階段を上りきってシローは駅の方を見た。そして途端、ひゅ、と息を呑む。あれだけ出ていた涙が引っ込んでしまうほどの光景だった。 「……嘘だ」 『ははっ、シローくんみっけ!』  たつみは笑って、駅の方からこちらに手を振っていた。
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