3.二十一時の霹靂

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「俺もびっくりしてます。高澤先生もおもしろがってましたし」 「あっ、先生に話してくれたんだ? どうだった?」  シローが高澤からの伝言をつたえると、たつみは安堵したようにふむふむ頷いた。 「火曜か水曜か……よかった、おれ火曜講義ないんだ。来週あたりお邪魔すっかなー」  それでいいかな、とたつみがシローに問う。それに少しまばたきをして、まあ、とシローは答えた。 「いいと思いますけど……なんで俺に訊くんです?」 「いやだって、ニイドメくんの紹介になるわけだしさ。あ、その日バイトとか部活とかある?」 「俺ですか? 来週の火曜……は、休みです」 「おっけー、んじゃその日にしよう」  たつみは満足げに笑うと、トートバッグからスケジュール帳を取り出して鼻歌交じりに予定を書きいれた。ちょうど五月の一週目にあたる火曜日である。週単位で見ればゴールデンウィーク真っ最中だが、カレンダー上では平日扱いの日だった。  バイトの予定ばかりが書かれているシローのものと違い、たつみのスケジュール帳には様々な予定が書きこまれている。開かれたページだけを見ても三、四色は使われていた。普段ボールペンの黒一色しか使わないシローはそれに少し驚いて、たつみのふわふわ頭のてっぺんあたりを眺める。     
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