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うちの学校は名門進学校として日本で名が知られている学校だ。幼稚舎から高等部まであり、その全ての校舎が同じ敷地内にある。
有名人や大手企業の御曹司も少なくない。私の隣を歩く、鬼の風紀委員と呼ばれる男……深見衛人は日本三大企業と呼ばれる深見グループの御曹司。
茶色みが一切無い黒い髪に銀縁眼鏡、細く長身
で、いつも無愛想な彼は学園一恐れられていて、実質生徒会長よりも権力が上だ。
風紀委員は私と深見衛人の二人体制。生徒会よりも敵に回したらやばい存在と言われるくらい、恐れられている。
私自身はあくまで衛人様のサポートをしているだけ。だけど、深見と毎日一緒に過ごせる桜姫も恐ろしい存在だと言われてしまっている。
桜坂姫菜の略で桜姫……それが私の呼び名。私自身は衛人様みたく高圧的な態度はとれないし、威圧感を出す事は出来ないのだけど。
生徒の中には衛人様が某RPGのボスキャラ的な存在で、私はそんなボスキャラに拉致られて逆らえない不憫な姫と捉える人もいるとか。
いや、違う。私は望んで衛人様のお側にいるの。
「おかえり、姫菜」
「凛、ただいま」
学園内パトロールから戻ると、私は幼馴染の凛の元へ。凛はいつも黒い髪をショートにしているサバサバした雰囲気の女の子だ。
「毎日大変だね、パトロール」
「衛人様のお役に立てるのなら本望だよ」
「姫菜が衛人様の側にいるのは罵られたいからでしょ」
「り、凛! 」
衛人様は自分の席につき、本を読んでいるようだ。
聞いてない……よね?
私は安心すると、凛を睨む。
「ちょっと! 聞かれてたらどうするの」
「ごめん、ごめん」
そう、私には秘密がある。絶対に衛人様には知られたくない秘密が。
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