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なんて、無理だよね? 中学にすらそんな人いなかったし。
高校生になったら素敵な彼氏を作る。それは私の最大な目標。
「おい、あれ……深見衛人だよな? 噂通り、こえー」
「あいつと目合わせるなよ? 何されるか分かったもんじゃねぇ」
電車に乗り込むと、私と同じ制服を着た人達がある学生を見ながらひそひそ話していた。
彼らが見ているのは銀縁眼鏡をかけた同じ制服を着た男子。不良っぽくないけど?
「おい! さっきからひそひそ、ひそひそ何だ? 」
「ひっ! 」
えっ?
噂をしていた男子生徒二人組は彼に突然話しかけられ、動揺する。
「文句があるなら堂々と言え。さっき、あれって言ってたなぁ? 俺様の事」
「す、すみません! 」
「そっちのあんたはあいつ呼ばわりしてたな? どういうつもりだ。あぁ? 」
彼は彼らを睨みつけ冷たく言い放つ。
「す、すみませんでした! 」
「俺はな、陰で人を悪く言う虫ケラが大嫌いなんだよ。次、俺をあれやあいつ呼ばわりしてみろ? 容赦しねぇからな」
「も、もうしません! 」
「本当にすみませんでした! 」
「ちっ。朝の俺はただでさえ機嫌が悪いってのに」
す、すごい! 自分の事を俺様って言う人初めて見たよ! しかも、人に対してあんな物言いする人も初めて見た。
同じ学年にあんな人が! でも、そんなに有名な人なのかな?
学校の最寄り駅に着くと、ドア側に立っていた彼は先に降りる。だけど、その際に何かを落とした。
「生徒手帳? 」
私は彼の生徒手帳を拾ってしまった。まだ、入学前だから生徒手帳は貰わないはずなのに。
同じ一年生だよね? それはともかく、早く渡しに行かないと!
私は彼を追いかける。
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