2006/6/14

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「こないだのアレ見た?もうマジでさ、─」 「ごめん。忘れ物した。篠田、先帰ってて。」 あの後すぐに、篠田は教室に来た。だけど篠田と下駄箱まで歩いて来た所で、僕は嘘をついた。 田中さんの筆箱に紙を入れたことが、やっぱり物凄く恥ずかしいことに思えて、一人で4組に引き返す。 どうせ明日からも毎日学校で会うんだから、直接伝えればいい。 教室に着くと、田中さんの机の上に置いてある筆箱を手に取る。 ファスナーを開け、さっき自分が入れたばかりの紙を取り出すと、僕はそれをズボンの右ポケットにしまった。 “今度、一緒に帰ろう。”
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