第一話 出会い

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彩は目を開けた。 肺に新しい空気がゆっくりと入る感覚をしっかりと確認する。 (また、あの夢を見たんだ。) 手で自分の首をなで、安堵のため息をついた。 ベッドから上体を起こすと、壁にかけられたカレンダーを見つめた。 「今日が金曜日だから…、うわ、今週の月曜日から連続で見てる。」 気持ちが曇ってきた。 (いつまで続くんだろ。今日は忙しいのに。) つぶやきながら、夢を振り返った。 でも、夢の中での私は子供だった。 母親は、あの子を虐待していたか殺したのだ。 同じ夢を何回か見ると、いつも関連する出来事に出遭う。 今回の夢は、なんとも寝覚めの悪い夢だ。 (今日のことと関係あるのかな) ベッドから離れると、カーテンを開けた。 春の陽光の中を、燕が数羽飛んでいく。 (悩んでも意味ないか。来るものには対応しないといけないんだし。) 彩は自分を説得し、うんうんとうなずいた。
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