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彩は一月の間に購入された備品の金額を合わせていた。何回も電卓を叩いているが、合計額が合わないのだ。
(あーもー、イライラする。)
電卓を叩きながら、夢のことを思いだした。
(明日の朝も、あの夢を見るのかな?)
首に指が食い込む感覚。リアルに覚えている。
(男の子か女の子かわからないけど、あの子は死ぬのを受け入れていた。自分のせいで母親が苦しんでいると、思っていた。私がもし、あの子だったら、同じように思うかな?あ、いや、今はそういうことじゃなくて、あの子のせいじゃないのに。あの子…、あの子に近々、会うのかな?)
同じ夢を何回も見る。
その時は、夢に関連することに巻き込まれるときだ。
(もしもあの子にあったら、私はなんて接すればいいかな?そもそも、生きているのかどうか、あの母親にもあえるのかわからないけど…。そもそも、なんであんな辛い目に…。ああなる前に、誰も助けなかったのかな?児童相談所とか、近所の人とか、誰かいかなかったのかな?)
彩はそこで、また計算を間違えたことに気づいた。
桁数が大きく違う。
ため息をついて、また一から計算を始めた。
「彩ちゃん。」
突然、話しかけてきたのは、隣の席の山瀬さんだ。
彼女
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