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「精霊ってのは初耳だな。天使とは違う存在がいるってことか?」
「はい。ボクも実際に見たわけではありません、ただそういった存在がいることは聞かされました」
「誰に?」
「バズギアです」
目を見開き、口に運ぼうとしていたカップを慌てて下ろす。
「バズギアだと?なんであいつがそんなことを知ってるんだ」
「バズギアも全てを知っていないと言っていました。知っているのはミアリナードだけだそうですが、ボクはミアリナードからは何も聞かされてはいません」
「ミアリナードは知ってるってのか。その天使やら精霊やらのことを」
「恐らく」
「ちょ、ちょっとごめん。話割って入っちゃって。だ、誰なの?そのバズギアとかミアリナードって」
「宝剣の名前ですよ会長。勇者が持つ宝剣が『聖剣・ミアリナード』、勇者パーティーの榊 冬一郎が持っているのが『魔剣・バズギア』です」
「…宝剣に名前があったんだ。私たちは四本ある剣としか聞かされてなかったから…」
「『聖剣・ミアリナード』『魔剣・バズギア』『妖剣・紫茨(ようけん・むらさきいばら)』『幻剣(げんけん)・ヴェレノア』。それらの宝剣は、人間に授けるために天使たちが作った物だそうです」
「……人間のために作られた剣、か。なるほど、バズギアが魔物に靡かなかったわけだ」
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