1423人が本棚に入れています
本棚に追加
/257ページ
「せっかくなんだし美味しい物食べたいし、ちょっとお話したいからね」
黄色い髪に黄色い瞳。半袖半パンの上下セットのジャージを着た小学生くらいの男の子は。
「お久しぶり、元気だった?お姉ちゃん」
綾坂会長を真っ直ぐ見つめ、元気な笑顔でそう言った。
「お…前ッ、なんだ…!?」
「アハハ!そんなに睨まないでよ、顔が怖いよ?魔王のお兄ちゃん」
「ッ!!?」
「勇者のお姉ちゃんもさ、あんまり魔力を高めると周りに迷惑かけちゃうよ?」
「答えなさいッ…!あなたは、一体なんなんですかッ…!!」
「さっき話してたじゃん」
ニッコリと、年相応の笑みで少年は言った。
「一応自己紹介しとこうか。初めまして魔王のお兄ちゃん、勇者のお姉ちゃん。僕の名前はヴォルト。雷の精霊です」
「「!!?」」
こいつが…?こんなガキが、精霊…!?
聞いた時は信じられなかった。だが、俺はすぐに気づくことが出来た。
この魔力の感じ。
そしてさっき言った雷の精霊。
間違いない。こいつ……、
「そうか…お前が、綾坂会長に接触した奴か…!」
「綾坂会長って言うの?お姉ちゃん会長さんなんだね!カッコイー!」
「………」
「…あれ?怖がってる?おかしいな、記憶はないはずなんだけど。記憶だけ消してもその時の感情とかで戻ってきたりするのかな?人間って不思議だね!」
最初のコメントを投稿しよう!