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本当に、冗談でもなんでもなく、ヴォルトの言っている言葉の意味がわからなかった。
「それに勇者のお姉ちゃんも、魔物を許すのを止めてよ。それと魔王を好きになるのも止めて」
「……何を、言っているのですか」
「んー。説明は得意じゃないんだけどぉ、魔物と人間は敵同士なの。それが"この世界の作り"なの。それを乱されると世界その物が歪んじゃうんだー。その魔物と人間の代表みたいな感じの二人が仲良くしちゃうのが一番ダメで、つまり今の流れはびっくりするくらい最悪なの」
「………何が、世界が歪むだッ…」
「うん?」
「お前が……お前らがなんなのかは知らねえ。お前らがなんと言おうが、"ここ"は俺たちの世界だ。お前らみたいなわけのわからねえ奴らにとやかく言われる筋合いはねえ」
「……うん、確かに僕らは"ここ"には住んでないし、言うほど関係もないね」
「………」
「けど、それは的外れだよ魔王のお兄ちゃん」
パチッ、とどこかで音が鳴った。
直後だった。
視界も、意識もまとめて消し飛ばす得体の知れない何かが体の内側で弾け、視界がはっきりした時には項垂れていた。
「ま、魔王!大丈夫ですか!?」
「く……ぉあ…」
「"ここ"はキミたちの世界なのは間違いないよ。けど、キミたちだけのじゃない。観測する僕らの世界でもある。僕らはこの世界があるからこそ存在していられるんだから」
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